不純異性交際 -瀬川の場合-

「そういえば、同窓会にコウヘイ君は来るのかな?ミライ、コウヘイ君のこと好きだったじゃ〜ん!楽しみだねぇ」


「ニヤニヤしすぎ〜。あれは憧れだから!もう30だし、あれはあれ。これはこれ。」


「えっ、意味わかんない(笑)」


「私はね。コウヘイ君より、瀬川くんに会いたの。元気かなぁ。いつのまに紀子と結婚したみたいだし。あぁ〜瀬川く〜ん…」


「そういえば、ミライと瀬川くんって仲良かったもんねぇ。…っていうか紀子と瀬川くんが結婚したって……あなた一体、何年前の話してるの!?(笑)」


「えっ…?!」


頭が混乱する。

だって私はつい最近その話を聞いて、ショックを受けている真っ最中なのに…!



「待って、落ち着いて。瀬川くんたちはいつ結婚したの?」


「落ち着くのはミライだよぉ(笑)
私もそこまで詳しい事は知らないけど、結婚したのは23くらいの時だったかなぁ〜。

………って、ミライ?!」



じゃあ…結婚して7年も経ってるって事?!



「ミライってば〜!」

私の顔の前で手を振るアンナ。

私は我にかえる。



「マジですか・・・」

「マジだけど、なんで?いつのまにそんなに瀬川くんに惚れてたの〜?」


「いや違う!惚れてないんだけど、けど…!仲良かったし、なんていうかとにかくショックで。…こないだも紗奈にさんざん駄々こねたくらいには(笑)」


「ウケる〜!私の瀬川くん、紀子に取られちゃったー!ってか(笑)」


アンナはおちょくるようにケラケラと笑う。私も笑った。


「まぁ!なんにせよ、同窓会楽しみだし。アンナのおのろけも聞けたし。アンナ、この調子で彼と仲良くね」


「えへへ、ありがとぉ〜う!」


私たちは紅茶のティーカップで乾杯した。


同窓会まで、あと3週間。



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仕事の打ち合わせで、駅前に来ている。

新しくオープンする美容院のロゴやリーフレット、屋外看板など一連のデザインに携わることになり、店長と顔を合わせてきたところ。


「順調にいけば年内にオープンだから…」

頭の中を整理するためにとりあえず座ったベンチで、スケジュール帳を確認する。


11月に入り、気温はぐっと下がった気がする。
日差しはぽかぽかと気持ちいいけれど、冷たい風で首元が冷える。

うっかり玄関に忘れてきた薄手のストールのことをふと思い出したとき、携帯が鳴った。

バラ組のトークルームが光っている。


[同窓会、行けそうだよ〜!楽しみだな!写真撮ろうね♪]

奈美も来れることになり、ますます楽しみだ。


奈美は一見、目立った事はしないし人にも深入りするタイプではなさそうに見える。
けれど、意外としっかり見てくれていて、時には心に寄り添うような言葉をくれたりする。
中学生だった当時よりも、大人になった今のほうが奈美との絆は深まっている気がしている。



紗奈(さな) [第3土曜日だよね?どっか待ち合わせしよ〜!]


アンナ [紗奈は早めに帰らないとだから、同窓会は19時からだけど私たち先に集まろうよ!]


ケイ [少しだけ顔出せたら出すね!同窓会は気が重いけどバラ組だけなら少しでも顔見た〜い(笑)]


私は[いいね、アップル?]と打ち込んだ。


紗奈 [じゃあ17時くらいにアップル現地集合!]


[はーい!]
[了解♪]




歩き出した公園には大きな噴水がある。
なんだか気分が晴れやかで、少しくらい寒くても…!と、コーヒーショップのテラス席へ座った。


ホットハニーカフェオレを注文し、どこを見るでもなく外に目をやりながら私はまだ、なにを着ていくかなんて考えたりしていた。


同窓会まで、あと2週間。

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