欲情レイン
小さな頃は、"お姉ちゃん、お姉ちゃん"って後ろを追いかけてきたのに。
まぁ、今年から中学生なのだから当たり前か。
「キス、した事あるかだっけ?」
わざとギシッと音を立てて、弟の隣に腰を掛けた。
「も、もう、いーよ!」
「でも、何で急に?」
「……」
「……」
「クラスの奴が、か、彼女と……キ、キスしたって」
ふーん。友達の話にこんなに反応して、姉の私に聞いちゃってる訳だ。
可愛い奴め。
「あるよ」
「えッ、マジで!??」
彼氏がいた事あるし、弟だって知ってる筈なのに。
別に今更 驚くことじゃないだろうに、まるで子供みたいに目を丸くしてみせた。
「まぁ」
「それって何回?」
「そんなの覚えてないよ」
「うわー、すげー!すげー!」
ここ、目を輝かせるところか?