欲情レイン




小さな頃は、"お姉ちゃん、お姉ちゃん"って後ろを追いかけてきたのに。

まぁ、今年から中学生なのだから当たり前か。




「キス、した事あるかだっけ?」


わざとギシッと音を立てて、弟の隣に腰を掛けた。



「も、もう、いーよ!」

「でも、何で急に?」

「……」

「……」

「クラスの奴が、か、彼女と……キ、キスしたって」

ふーん。友達の話にこんなに反応して、姉の私に聞いちゃってる訳だ。

可愛い奴め。



「あるよ」

「えッ、マジで!??」


彼氏がいた事あるし、弟だって知ってる筈なのに。
別に今更 驚くことじゃないだろうに、まるで子供みたいに目を丸くしてみせた。



「まぁ」

「それって何回?」

「そんなの覚えてないよ」

「うわー、すげー!すげー!」


ここ、目を輝かせるところか?


< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop