欲情レイン



「あんたとも子供の頃した事あるよ」

「はぁ?マジで??」

「あんたが幼稚園入る前の話だけど」

「嘘だろ?そんなの覚えてねーし!!くっそー」


だから、そこって嫌がるとこじゃないの?


子供の頃とはいえ、自分の姉ちゃんと初キス済ませてるなんて。





「……して、みる?」

「…………え?」

「キス。してみる?」

「…………」


目の前には、曇りの無い瞳をした弟が私に真っ直ぐと視線を向けている。そして、私も反らさなかった。

どっちが近づいたか分からない位に、自然な距離だったと思う。


唇の表面が軽く触れるだけの、弟の体温が伝わってくるだけのキス──。



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