欲情レイン
「……な、に言って」
「セックス」
「……ッ」
「教えてあげよっか?」
なんて、すぐ隣に座る弟に目を細めれば、弟は慌てて私の透けた制服から視線を反らした。
「冗談、冗談。本気にしないでよ」
「そ、そうだよなー」
「ちゃんと好きな子とするんだよ」
「姉ちゃんの事、嫌いじゃないけどな」
「だから、"好き"な子だってば」
「なんだよケチー」
唇を尖らせて、顔を真っ赤させる私の可愛い弟よ。
いつも私の後ろについて歩いていた。
可愛い、可愛い弟から、雄の匂いがしたなんて誰に話せるだろうか。