転生王女と侍の国づくり「仮題」
思案にくれるリゼを見かねてアルテラがリゼの耳元で囁く。
「リゼ様、この者をどうしたいんだ?」
アルテラは聞きなれない二人の言語のやり取りを聞きながらも雰囲気が険悪なものではないと理解していた。それにリゼがこの者を兵士に引き渡したくないのではないかと思いたっていた。
「アルテラ、この者を神殿のほうで預かる事はできますか?」
「……それは難しいかと、神殿長は男性を神殿に迎え入れる事はありませんから」
神殿長は元は公爵夫人であったが、公爵の女好きに嫌気がさして神殿いりした経歴を持つ。それ故に男性不信というよりも男性その者に嫌悪している節が見受けられた。そのため神殿は駆け込み寺の様相をしている現状があるのも事実だった。
アルテラがリゼに申した。
「リゼ様が直接捕らえるのはどうでしょうか?」
「どういうことですか」
「この者を不敬罪で直接、リゼ様が捕らえて、王宮に連れて行くのはどうでしょうか?見るところ、ここにいる兵士に貴族は見受けられませんし、王女に逆らう者などいないでしょう」
リゼはなるほどと、手を打ったが、職権乱用も甚だしとも思ったが、アルテラに従う事にした。用意よくアルテラが久遠に手枷をはめると、
「この者を不敬罪として連れて行きます。沙汰は王家が直にくだされるはずです」と兵士に言い放った。
納得していない様子の兵士たちもいたが、王家の威光を前にひれ伏すしかなかった。ただし、兵士が久遠に対する憎しみは殺意を生むほどまでに増長したのも事実である。
(このままで済むと思うな、異人が)
「リゼ様、この者をどうしたいんだ?」
アルテラは聞きなれない二人の言語のやり取りを聞きながらも雰囲気が険悪なものではないと理解していた。それにリゼがこの者を兵士に引き渡したくないのではないかと思いたっていた。
「アルテラ、この者を神殿のほうで預かる事はできますか?」
「……それは難しいかと、神殿長は男性を神殿に迎え入れる事はありませんから」
神殿長は元は公爵夫人であったが、公爵の女好きに嫌気がさして神殿いりした経歴を持つ。それ故に男性不信というよりも男性その者に嫌悪している節が見受けられた。そのため神殿は駆け込み寺の様相をしている現状があるのも事実だった。
アルテラがリゼに申した。
「リゼ様が直接捕らえるのはどうでしょうか?」
「どういうことですか」
「この者を不敬罪で直接、リゼ様が捕らえて、王宮に連れて行くのはどうでしょうか?見るところ、ここにいる兵士に貴族は見受けられませんし、王女に逆らう者などいないでしょう」
リゼはなるほどと、手を打ったが、職権乱用も甚だしとも思ったが、アルテラに従う事にした。用意よくアルテラが久遠に手枷をはめると、
「この者を不敬罪として連れて行きます。沙汰は王家が直にくだされるはずです」と兵士に言い放った。
納得していない様子の兵士たちもいたが、王家の威光を前にひれ伏すしかなかった。ただし、兵士が久遠に対する憎しみは殺意を生むほどまでに増長したのも事実である。
(このままで済むと思うな、異人が)