転生王女と侍の国づくり「仮題」
久遠は催事を受けているリゼの様子を静かに見ていた。神殿長の前に進むリゼは銀のコップに神殿長が注いだ泉の水を口に含む。飲み込むのには少し抵抗があって頬っぺたをリスのように膨らませている。本当にこの湖の水は綺麗なのと、リゼは他の者が心配しない事で悩んでいた。リゼは普段の飲み水は沸騰さして煮沸消毒をしていた。これは前世の記憶がそうさせるものであった。
(あたらないよね?)
リゼは神殿長が述べる祝例を話半分に聞きながらそんなことをずっと思っている。
神殿長もまた、気がそれているリゼの様子を見ながら呆れ果て、早く神殿に帰りたいと思うようになっていた。
その様子を見てアルテラは笑いを堪えるのが必死だった。あのお姫様面白れぇわ。と、思いつつリゼに興味を持ち初めていたのだった。