転生王女と侍の国づくり「仮題」
リゼはヨハンのすぐそばまで詰め寄ると満面の笑みを浮かべた。緊張しているように見えるヨハンの警戒心を少しでも取り除こうと考えた。リゼは王と話がしたいのではなく、ヨハン、つまりは父親と話がしたかったからだ。
そうでないと今から切り出そうとしている要件は通らないと思うからだった。だからリゼは満面の笑みを浮かべ、子供らしく甘えてみせる。
ヨハンはその笑顔を見て頬が緩む。その姿を見たリゼはやった、と心の中でガッツポーズを取る。 これで少しは私の話を聞き入れ安くなったはず。そう思ってリゼは手を後ろ手に組んで、腰をフリフリとくねらせ、甘えた声で、
「ねえ、お父様」と話しをきりだした。
「この度、私は成人致しました。」
「うむ、おめでとう、リゼ。」
言ってヨハンはリゼの婿候補を探してやらねばと考える。名門貴族でありながら他の貴族たちが牽制しない程度の家柄を思い浮かべたがすぐに頭を振った。リゼは親の目からみても美人である。どこの令嬢にも負けない美貌だ。歳を重ねればそれは美しい姫になるだろう。だがしかし、ヨハンはリゼの顔を見る。正確には瞳。瞳の色を見た。
亜人や魔物によく見られる妖しい紫色。
そうでないと今から切り出そうとしている要件は通らないと思うからだった。だからリゼは満面の笑みを浮かべ、子供らしく甘えてみせる。
ヨハンはその笑顔を見て頬が緩む。その姿を見たリゼはやった、と心の中でガッツポーズを取る。 これで少しは私の話を聞き入れ安くなったはず。そう思ってリゼは手を後ろ手に組んで、腰をフリフリとくねらせ、甘えた声で、
「ねえ、お父様」と話しをきりだした。
「この度、私は成人致しました。」
「うむ、おめでとう、リゼ。」
言ってヨハンはリゼの婿候補を探してやらねばと考える。名門貴族でありながら他の貴族たちが牽制しない程度の家柄を思い浮かべたがすぐに頭を振った。リゼは親の目からみても美人である。どこの令嬢にも負けない美貌だ。歳を重ねればそれは美しい姫になるだろう。だがしかし、ヨハンはリゼの顔を見る。正確には瞳。瞳の色を見た。
亜人や魔物によく見られる妖しい紫色。