転生王女と侍の国づくり「仮題」
「鹿も四つ足、馬も四つ足」そう叫んだのは義経が一ノ谷の裏手に回り込んだ、断崖絶壁の上だった。それを聞いた久遠は馬上の上から崖下を見下ろした。(道理はわかるけれど、無理だろう)と、心の中で呟いて、義経の行動に注視していた。崖下ではもう戦が始まっている。ここで武功を立てれば地頭になれるかもしれないと淡い期待を持っていたが、久遠は高所恐怖症であった。久遠自身はそんなことには気づいてはいないのだけれど、足の震えが尋常ではなく、自分の太ももあたりを叩いていた。
義経は先に空馬を崖下に突き落として馬が無事に崖下までたどり着くのを確認すると「つづけぇ」と号令を出して即座に断崖絶壁を下り始める。
それを見て久遠も続くが、他の武将と息が合うことなく遅れをとってしまった。しかしあまりに高い所に恐怖し、目をつむったまま馬に身を預けていると、傾斜を下る感覚から平地を走る感覚に変わるのがわかった。しかし久遠が目を開き眼前に映った景色は綺麗な平原であった。
「ここはどこだぁぁぁあああ」
義経は先に空馬を崖下に突き落として馬が無事に崖下までたどり着くのを確認すると「つづけぇ」と号令を出して即座に断崖絶壁を下り始める。
それを見て久遠も続くが、他の武将と息が合うことなく遅れをとってしまった。しかしあまりに高い所に恐怖し、目をつむったまま馬に身を預けていると、傾斜を下る感覚から平地を走る感覚に変わるのがわかった。しかし久遠が目を開き眼前に映った景色は綺麗な平原であった。
「ここはどこだぁぁぁあああ」