愛してしまったので離婚してください
言葉が足りなくて、もしかしたら感情の起伏もない、平らな人なのかもしれないと心のどこかで思っていた。だから、時々感じられた雅の心の熱量に、何度も私の心まで熱をもち溶かされてきた。

でも、それは違ったと確信できるこの5日間。

ただ、雅は言葉にすることが不器用なだけ。
心の中はいつだって感情的で情熱的。

言葉にするまでに時間がかかったり、今みたいに相手に気遣いすぎて、言葉をたくさん飲み込んでいるのだろう。

「ごめん」
その証拠に、雅はもう一度私に謝る。

雅の胸の中で私は首を横にふる。

どんな話でも聞きたい。もっと雅を知りたい。
思っていることを教えてほしい。
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