愛してしまったので離婚してください
その日の夜、私は初めて病院に泊まった。

急遽用意してもらった病院の個室。
個室も、私の父が手配してくれたらしい。

「明日、父に連絡してみる。」
「明日出勤したら、病室に来てもらおうか。今後の治療方針はお義父さんにも実は相談してたんだけど、ちゃんと晶もいるところで話がしたいし。」
「・・・うん」
広い個室には患者用のベッドと、簡易ベッドが用意されていた。
でも、雅は私と一緒のベッドに横になり、私を抱きしめてくれている。

日本に戻ってから、私は一人で眠ることがなくなった。
私が眠りにつくときは雅がそばにいてくれる。

私が眠ってからベッドを離れることがあっても、眠りにつくときは必ず私を見つめていてくれる。
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