愛してしまったので離婚してください
ゆっくりゆっくりと動き出していた彼への気持ちが、一気に加速を始めた瞬間だった。

雅の心が、気持ちが知りたいと初めて思えた。

それまでは怖くて、目をあわせることすらできなかったのに、彼の心がみたいと思ってしまった。


雅が病室から出て行った音が聞こえた瞬間、私は瞳を開けた。

何が起きたのだろうか・・・
思わず、自分の唇にそっと触れる。

私は今でもその時の感覚を忘れられない・・・。



「晶」
目の前にいる雅に名前を呼ばれて、思わず彼の唇を見てしまう私。
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