愛してしまったので離婚してください
「そっか。男の子か。」
お腹に手をあてて、私はお腹の中の赤ちゃんに話しかける。

「男の子だったのね。」
「・・・結構早い段階で見えてたんだ。シンボルが。」
「ふふっ、言い方。」
もう一度私たちは手をつなぎ歩き始める。


私たちは水族館の売店で男の子用の海の生き物が書かれた服や小さな靴下、イルカの大きなぬいぐるみを買った。

赤ちゃんのものを買ったのははじめてだった。

幸せな気持ちで水族館を後にした私たちは、雅が予約してくれたレストランで食事をした。
おいしいイタリアンレストラン。
私はオムライスを、雅はステーキを頼んだ。
雅は自分の口よりも私の口に、小さく切った自分のステーキを運んでくる。
その分私は自分のオムライスを雅の口に運んだ。
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