愛してしまったので離婚してください
「言っただろ?離婚届を見た時、俺は晶からのラブレターに見えたって。あの夜の言葉も、俺には晶からの愛の告白に聞こえてたんだ。俺を想って、決断しようとしてる晶からの、俺への愛だって。ちゃんとわかってたんだ。だから、謝るのは違う。」
「でも、雅を傷つけた。」
雅の顔をみると、雅は穏やかに微笑みながら首を横に振る。
「違う。傷ついてない。自分自身が悔しくは感じたけど、俺が逆の立場でも同じことをした。俺は晶を愛して、愛したから知ったんだ。誰かを自分以上に大切に想って、その大切な人の幸せのためには何ができるか必死に考えて、その答えのためには自分を犠牲にできる。だからこそ、あの夜も晶の気持ちちゃんと伝わってた。」
「・・・雅・・・」
次々にあふれる涙を拭いながら雅が微笑む。

「愛してる。それがすべてだ。晶とこの子が俺のすべて。」
「・・・でも・・・」
「でもは、なしだ。俺には晶しかいない。ほかの誰でもない。誰との未来でもない。俺は晶とこの子との未来がほしい。それがすべてだ。」
「雅・・・」
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