愛してしまったので離婚してください
私の横になっているベッドに近づくと、そっと隣に横になる。
そして、私のお腹に触れる。

大きくて熱い手で。

「パパは絶対にママを守る。あきらめない。」
雅はまっすぐに私をみる。

全くぶれない、まっすぐで自信に満ちた表情で私をみる。

「まだまだ話したいことも、いきたい場所も、やりたいこともいっぱいある。ママと生きることをあきらめない。」
「・・・雅・・・」
雅は私のお腹に触れていた手を、私の頬に動かした。

ちらりと白衣の下に来ている術衣の首元から、チェーンに付けられた結婚指輪が見えた。
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