愛してしまったので離婚してください
「俺は晶の命をあきらめない。晶との未来をあきらめない。でも、同じように医者であることもあきらめない。」
「・・・」
熱い手で涙を拭いながらはなす雅は、何の迷いもない表情だった。

「晶も支えてくれてつかんだ夢だ。救いたい命がいっぱいある。救える命がいっぱいある。あきらめたくない。それに、俺が諦めたら、晶、許してくれないだろ?」
そう言って微笑む雅。

「当然でしょ。」
強気な言葉も昔の私たちの関係には全くなかった。

距離が離れすぎて、お互いのことが見えていなかった過去。
今は違う。

ちゃんと隣に並んでる。
繋がっている。
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