愛してしまったので離婚してください
「未熟児だから、NICUで保育器に入ってる。出産した時にまだ肺が未熟だったから酸素の管理をしたり、鼻からチューブを入れて栄養を補給してる。」
「・・・」
「大丈夫。これは想定内のことで、数週間で酸素治療も終了するし、酸素がうまくとれるようになれば口から晶の母乳を飲むことだってできる。」
「・・・?」
雅から何度も受けていた私の今後の治療の話では、投薬治療があるかぎり、母乳を息子にあげられないときいていた。

「なくなったよ。晶の中の悪いものは全部。切り取った。今回の手術で、卵管が少し壊死しているのが見つかって、腹膜へも腫瘍が突出してた。こんな状態で妊娠できたことも、出産まで持っていけたことも、奇跡としか言えないって産婦人科の先生も言ってたよ。」
雅の言葉にふと体の力が抜ける。

「晶、お義父さんに手紙託したんだって?」
雅が少し険しい表情になりながら言う。
私は少し気まずくなって、視線をそらした。

その手紙は・・・
< 227 / 251 >

この作品をシェア

pagetop