桜色の歌と君。
扉の向こうへ行くと、想像していたよりも広い屋上と、雲一つない綺麗な青空が広がっていた。
ほんの少し橙色を帯びた陽光が照らすフェンスに手をかけて、下を覗いてみる。
生徒達が門へ向かって歩いていく姿を見ていた私は、背後の扉が開いた音に気が付かなかった。
「花咲さん?」
後ろから唐突に聞こえた自分の苗字に、心臓が大きく跳ねた。
慌てて振り向くと、そこにはクラスメイトの男の子がいた。
栗色の柔らかな髪が、風でふわりと小さく揺れている。色素の薄い瞳が私の姿を真っすぐに捉えていた。
彼はそのままこちらへ歩いてくると、私の目の前で足を止めた。近くに来られて、彼は私よりも大分背が高いことを知った。
ほんの少し橙色を帯びた陽光が照らすフェンスに手をかけて、下を覗いてみる。
生徒達が門へ向かって歩いていく姿を見ていた私は、背後の扉が開いた音に気が付かなかった。
「花咲さん?」
後ろから唐突に聞こえた自分の苗字に、心臓が大きく跳ねた。
慌てて振り向くと、そこにはクラスメイトの男の子がいた。
栗色の柔らかな髪が、風でふわりと小さく揺れている。色素の薄い瞳が私の姿を真っすぐに捉えていた。
彼はそのままこちらへ歩いてくると、私の目の前で足を止めた。近くに来られて、彼は私よりも大分背が高いことを知った。