ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
 新條に気付かれたらと焦れば焦るほど、うるさくなっていく。

「何で、急に……私は尊敬の対象では……」
「ずっと伝えたかった『尊敬してる』って言葉を伝えられたのに、まだ言えてないことがあるなとモヤモヤしてた。それでずっと考えてたんです、この気持ちは何だろうって。やっと気づいたんです――そうか好きってこういうことかって」

 視線に射抜かれる。

「誰にも渡したくない」

 熱い。全身の血が沸騰しそうだ。

「わたしっ…………ええと………………その…………………………」
「返事はいりません、わかってます」

 まるで、フラれると分かり切っているような口ぶりだ。自分の中でケジメを付けるために告白したみたいだった。

 私は、どう答えていいのか分からないのに……。
 律がそう考えていると、トラックが赤信号で停車した。
 新條が地面に軽々と降り、両手を広げる。

「さぁどうぞ」

 その胸に飛び込めと言っているのか。

「誰かが見てるかもっ」

 恥ずかしくなった律は、辺りをキョロキョロと見渡したした。

「見ていたとしても、これは問題ないでしょ。飛び降りたらケガしますよ」

 確かに、結構高い。着地に失敗したら捻挫……いや、骨折するかもしれない。だけれど。

「一人で降りれるっ!」
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