ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
「これで最後ですから、お願いです」
それでも一人で着地しようと律は、新條から遠ざかって飛び降りた。
あっという間にバランスを崩す。
――ギャーッこれじゃ着地できないーッ!
ヒヤッとしたら。
新條が掬うように受け止めてくれた。
本日二度目の、お姫様だっこ。
――私ってば、ダサい! 「自分で降りられる」って意地張っておいて、結局降りられないなんて。新條、幻滅したかな……。
新條は風で乱れた律の髪の毛を、丁寧に整える。何も言わずに微笑んで。
――え……こんな私でも、受け入れてくれるんだ……。ホッとする……。新條の前だったら、ありのままの自分でいられるかもしれない……。
「ねぇ、『これで最後』って、どういうこと?」
新條がさっき言っていたことが気になって、聞いてみる。
「それは秘密。とにかく、今夜九時のミラミュ、絶対見てくださいね!」
こう言い残して新條は去っていった。清々しい顔で。
――なに今の。番組の宣伝……?
律は小首をかしげた。
毎週放送されている生放送の音楽番組「ミラクルミュージック」、略してミラミュ。その番組の存在は当然、律も知っている。
新條はそれにこれから出演するから急いで帰ったということだろうか?
律の頭上には、いくつものクエスチョンマークが浮かんでいる。
それでも一人で着地しようと律は、新條から遠ざかって飛び降りた。
あっという間にバランスを崩す。
――ギャーッこれじゃ着地できないーッ!
ヒヤッとしたら。
新條が掬うように受け止めてくれた。
本日二度目の、お姫様だっこ。
――私ってば、ダサい! 「自分で降りられる」って意地張っておいて、結局降りられないなんて。新條、幻滅したかな……。
新條は風で乱れた律の髪の毛を、丁寧に整える。何も言わずに微笑んで。
――え……こんな私でも、受け入れてくれるんだ……。ホッとする……。新條の前だったら、ありのままの自分でいられるかもしれない……。
「ねぇ、『これで最後』って、どういうこと?」
新條がさっき言っていたことが気になって、聞いてみる。
「それは秘密。とにかく、今夜九時のミラミュ、絶対見てくださいね!」
こう言い残して新條は去っていった。清々しい顔で。
――なに今の。番組の宣伝……?
律は小首をかしげた。
毎週放送されている生放送の音楽番組「ミラクルミュージック」、略してミラミュ。その番組の存在は当然、律も知っている。
新條はそれにこれから出演するから急いで帰ったということだろうか?
律の頭上には、いくつものクエスチョンマークが浮かんでいる。