ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
――驚かないで聞いてくれるかな、新條。
――私の、この想いを。
律は、上りエスカレーターを駆け上る。
くまなく探したが二階にはいない。三階にもいない。あとは四階のみだが……もしかしてもう行ってしまったのだろうか。
諦めかけたその時だった。
新條が、隣の下りエスカレーターで降りてくる。
「先輩っ?」
律の顔を見た新條は、驚きを隠せていなかった。
すれ違った瞬間、律もびっくり仰天する。
「新條?」
新條の髪が、短くなっていたからだ。
清涼感たっぷりのショートヘアで、隠れていた耳や項が見えている。あんなに短髪になった新條は、今まで目にしたことがない。
もうすぐ夏だし、切りたくなったのだろうか。それとも。
――まさか、私が芸能界を引退した時髪をバッサリ切ったから、新條も切ったんじゃ。私の髪が短くなったのは、自分のせいでもあると気にしてるんじゃないでしょうね……。
新條は意外とそういうことを気にする性格だと、律は分かってきていた。
――ヤンチャで生意気で無鉄砲だけど、年下なのに頼りになって……実は誠実で。
律は上りきった所でUターンし、下りエスカレーターに乗り換える。はやる気持ちを抑えきれず、駆け下りた。
「新條! その髪、私が、」
――私の、この想いを。
律は、上りエスカレーターを駆け上る。
くまなく探したが二階にはいない。三階にもいない。あとは四階のみだが……もしかしてもう行ってしまったのだろうか。
諦めかけたその時だった。
新條が、隣の下りエスカレーターで降りてくる。
「先輩っ?」
律の顔を見た新條は、驚きを隠せていなかった。
すれ違った瞬間、律もびっくり仰天する。
「新條?」
新條の髪が、短くなっていたからだ。
清涼感たっぷりのショートヘアで、隠れていた耳や項が見えている。あんなに短髪になった新條は、今まで目にしたことがない。
もうすぐ夏だし、切りたくなったのだろうか。それとも。
――まさか、私が芸能界を引退した時髪をバッサリ切ったから、新條も切ったんじゃ。私の髪が短くなったのは、自分のせいでもあると気にしてるんじゃないでしょうね……。
新條は意外とそういうことを気にする性格だと、律は分かってきていた。
――ヤンチャで生意気で無鉄砲だけど、年下なのに頼りになって……実は誠実で。
律は上りきった所でUターンし、下りエスカレーターに乗り換える。はやる気持ちを抑えきれず、駆け下りた。
「新條! その髪、私が、」