ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
急接近
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翌日の昼休み。いや、正確には四限目終了のチャイムが鳴る五秒前のこと。
「先輩ーっ!」
少し低くて大人っぽい声が教室の出入口からした。新條の声だった。
三年生の教室まできて、何の用だろう。
「コラ新條、授業中だ邪魔をするな!」
教壇に立つ先生が注意したところでチャイムが鳴る。
「ほら、終わったじゃねーか」
新條は窓際の席で授業を受けている律の元に真っ直ぐやってきた。
――え、私?
クラスメイトがザワザワする。
「何でアサヒくんが……月影さんに?」
目立つグループのリーダー的存在、今井さんが顔を引きつらせた。
――嫌だ、注目の的になってる。
「さ、行きますよ先輩」
新條は律の手を握り、反対の手に律の机のフックにかけていた弁当と水筒が入ったミニバッグを持ち、走り出した。
「ちょっと新條、何すんのよ急に!」
手はかたく握られていて振り払うことができない。
「急じゃないですよ、全然急じゃない。もう忘れたんですか?」
翌日の昼休み。いや、正確には四限目終了のチャイムが鳴る五秒前のこと。
「先輩ーっ!」
少し低くて大人っぽい声が教室の出入口からした。新條の声だった。
三年生の教室まできて、何の用だろう。
「コラ新條、授業中だ邪魔をするな!」
教壇に立つ先生が注意したところでチャイムが鳴る。
「ほら、終わったじゃねーか」
新條は窓際の席で授業を受けている律の元に真っ直ぐやってきた。
――え、私?
クラスメイトがザワザワする。
「何でアサヒくんが……月影さんに?」
目立つグループのリーダー的存在、今井さんが顔を引きつらせた。
――嫌だ、注目の的になってる。
「さ、行きますよ先輩」
新條は律の手を握り、反対の手に律の机のフックにかけていた弁当と水筒が入ったミニバッグを持ち、走り出した。
「ちょっと新條、何すんのよ急に!」
手はかたく握られていて振り払うことができない。
「急じゃないですよ、全然急じゃない。もう忘れたんですか?」