ダンスの新星!!~私の秘密は元トップアイドル~
新條は顔を上げ、ぽつりぽつりと語り始める。
「あの熱愛報道の後、俺、自分は悪くない、偶然起こったことだったんだって思い込もうとしました。だから……、事務所からの『どのメディアでも黙秘しろ』という命令に、従いました」
――命令、されてたんだ、事務所から……。それで、熱愛報道を否定しなかった……。
それは律にとって意外な事実だった。
新條の事務所は、律とのスキャンダルを利用しようとしていたということだ。
熱愛報道でクローズアップされることで、それまで以上に有名になるアイドルもいる。
新條は既に有名だったけれど、事務所はよりビッグネームになることを望んでいたのだろう。
「黙秘したからか、仕事への影響はあまりありませんでした。それで、いつか時間が解決してくれると思い込んでいたんです。だけど先輩が芸能界を引退して、やっと分かりました。俺は無責任極まりねぇことをしてしまったんだ、と」
そう言い切ったとたん、新條は血相を変えて壁をひとつ殴った。まるで自分自身に怒りをぶつけるように。
「あの熱愛報道の後、俺、自分は悪くない、偶然起こったことだったんだって思い込もうとしました。だから……、事務所からの『どのメディアでも黙秘しろ』という命令に、従いました」
――命令、されてたんだ、事務所から……。それで、熱愛報道を否定しなかった……。
それは律にとって意外な事実だった。
新條の事務所は、律とのスキャンダルを利用しようとしていたということだ。
熱愛報道でクローズアップされることで、それまで以上に有名になるアイドルもいる。
新條は既に有名だったけれど、事務所はよりビッグネームになることを望んでいたのだろう。
「黙秘したからか、仕事への影響はあまりありませんでした。それで、いつか時間が解決してくれると思い込んでいたんです。だけど先輩が芸能界を引退して、やっと分かりました。俺は無責任極まりねぇことをしてしまったんだ、と」
そう言い切ったとたん、新條は血相を変えて壁をひとつ殴った。まるで自分自身に怒りをぶつけるように。