キャラメル頭の君と、1ヶ月の同居ラブ。
って触らないでとか、私マジ何言ってんの!?ふざけてんの? めちゃくちゃひどいやつじゃん。        
                
               
半ばパニックを起こしながら、図書室に逃げ込む。            
             
     
なぜか他校の何倍もいりくんだ構造をしているこの学校で、そこらの男子より足の早い私が逃げるのは簡単だった。    
            
              
そう考えると……梨奈さんも中々だな。  
                
                   
彼女は昨日、全力で走っていた私に追い付いてみせたのだから。        
                  
             
「綾音さん……どうしたの?」    
               
                
半泣きの私に、気遣うような声が聞こえる。
                
                 
「たっ高田くん~! ふぅっぁ!!」  
                 
                  
高田 律(たかだ りつ)    
                
              
高田くんは、面白い本を探して頻繁に図書室を訪れていた時に仲良くなった、この学校唯一の友達。


前髪が目にかかっていて、少し暗い印象を受けるけど、背も高くて、前髪をどけると凄くかっこいいのを私は知っている。


つまり、隠れイケメンというやつだ。
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