幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽。……どこ見ているんだ」



頬を掴まれた、と思うと、唯斗くんが不機嫌そうに私を見ていた。

……じゃなくて、睨んでいた。


なんで睨むのっ。

春馬くんもなんだか、目が笑っていないし。

アイドルがそんな顔していいのかなっ。

アイドルの裏の顔! なんて、スクープされてもおかしくないよ⁉



「いひゃい。……いひゃいです」

「日本語喋れ」



唯斗くんはそう言うけれど。

誰のせいで日本語が喋れないと思っているんですか。

唯斗くんのせいですよ。



「まあ、唯斗。離してあげなよ」

「……ちっ、」



今、舌打ちした⁉

舌打ちしたよね⁉

春馬くんが助け舟を出してくれたのに、舌打ちなんて唯斗くんひどいっ!



「美羽ちゃんに僕たちのことを見て欲しかったらね、こうやるんだよ?」



目が笑っていない春馬くんだけど、にこやかな王子様スマイル。

ある意味怖い。
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