幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
座り方も、なんか……。

エレガントっていうか、王子様みたい。

そんな視線を向けていると、春馬くんが『頑張れ』と言うように手を振っている。

私も降り返そうとすると、唯斗くんに無理矢理引っ張られ、ゴールの近くまで連れていかれた。


いたいよ!

いたいってば!


ゴールまで近づくと、唯斗くんがボールを渡してくれる。

ボールを受け取った私は、手の中にあるボールを見つめた。


……これって。

シュートしてみろ、ってことですか?


無理!

無理だよ!

2人が見ているだけでも緊張するのに、唯斗くんから『お手並み拝見』みたいなプレッシャーも凄いし!



「シュート、ですか?」

「当たり前だろ」

「で、ですよねぇー……」



私はボールとバスケットゴールを交互に見つめて覚悟を決める。
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