幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
うん。

念力さえ送ればシュートは決まるはず。

なんとかなるはず!


私はボールを投げた。

だけど。

ボールはゴールより1メートル手前で落ちた。

小さなバウンドをしながらコロコロと転がっていった。


は、恥ずかしい……。

念力も届かなかったじゃん!

唯斗くんは『下手くそか』なんて顔で見ているし、春馬くんを見れば苦笑いをしていた。

だから、バスケは苦手なんだって!



「なんで、バスケ選んだんだよ」



唯斗くんが問う。

体育祭でバスケの種目を選んだ理由……。


そんなこと、話せるはずがない!

南條くんと同じ競技だから、なんて言えるわけがない!

そう思っていたのに。



「美羽ちゃんは、南條くんがいるからバスケにしたんだよね?」



なんて、さらりと言ってしまう春馬くん。


私の心を読まないで!

事実だけど!

口にして良いことと悪いことがある!
< 113 / 345 >

この作品をシェア

pagetop