幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
放課後。

私は公園で最後の練習をする。

早朝練習、放課後練習は今日まで欠かさなかった。

唯斗くんに交渉して、借りていたボールも、今ではすっかり手になじんでいる。

いつものようにシュート練習をしていると。



「美羽ちゃん?」



聞き覚えのある声がした。

振り返ると、そこには春馬くんが立っていて。

私はシュートする手を止めた。



「春馬くん……。お仕事は?」

「今日はオフの日。唯斗は部活に行くって言っていたから、僕は先に帰ろうかと」

「そうなんだね」



唯斗くん、仕事がない日も頑張っているのかぁ、と思うとハードな生活をしているな、って思った。

朝も早いし、夜も帰りは遅い。

日付をまたいで帰ってくることも多々ある。

それは唯斗くんだけじゃなくて、春馬くんも同じだけど。


本当に芸能人って凄い。

そんなにハードな生活をしているのに疲れた顔を見せないんだから。

むしろ向上心が強い感じがする。

『もっと頑張らなきゃ』って思っていそうだな……。

そう思うと、少し心配してしまう。
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