幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
そんな南條くんに見惚れていたら、体がミシッと鳴った。

痛い痛いっ!

私を抱きしめ続けている春馬くんの腕の力が強くなった!

抱きしめるにしても加減ってものがあるでしょ!



「は、春馬くんっ」

「なに?」

「痛いんですけど!」

「そう? 痛そうには見えないけどね?」



いや、本当に痛いよ⁉

どこを見て『痛そうには見えない』なのよ!

絶対ワザと、腕に力を入れて私をぺちゃんこにしようとしているんだ。

ひどい。


そんな私たちのやり取りを見て、にこやかに笑う南條くん。

それから南條くんは唯斗くんに視線を移して。



「部長。おはようございます」

「……はよ」



と、挨拶をしていた。
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