幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽ちゃん? 顔真っ赤だよ?」

「誰のせいだと思って……!」

「あ、僕のせいで顔が真っ赤なの? それは嬉しいなぁ」

「ちがっ、」



違う。

そう言い切れなかった。

だって、春馬くんが嬉しそうに微笑むから。

その笑顔を壊せるわけがない。



「そろそろ、学校へ行こうか」

「え、あ、うん」



そう言って差し出されたのは春馬くんの右手。


ん?

なにこの手。

手を繋ごう、ってこと?


そんなの無理!

スキャンダルとかになったらどうするの!

それは『一緒に登校しよう』と言われたときから、ずっと思っていたけれど……。

守ってくれるとも言ってくれたけど。


一緒に登校するのと、手を繋いで登校するのでは訳が違う!
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