幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
唯斗くん、もっと愛想良くしようよ!

せっかく南條くんが挨拶してくれているんだからさ!


そんな思いを込めて唯斗くんを見ていると目が合った。

そして睨まれた。

もう、なんで睨むの!


……唯斗くんと南條くんは、同じバスケ部だ。

唯斗くんはバスケ部部長。

もう10月だから、他の部活は3年生が受験のために引退しているところがほとんどだけど、バスケ部の3年生はまだ引退していない。

この学校のバスケ部は全国レベルの強さだ。

試合も順調に勝ち進んでいて、今度全国大会決勝戦があるのだ。


そんなすごいバスケ部を率いているのが唯斗くんなんて……。

私から見ると大丈夫なのかな? って感じ。

だって、唯斗くん、協調性がなさそうなんだもん。

……いや、絶対ない。
< 16 / 345 >

この作品をシェア

pagetop