幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
名前を呼ばれ、顔を上げる。

机の目の前には南條くんが立っていた。

南條くんの表情は硬くて。

少し怒りに満ちたような表情をしていた。


なんで、そんな顔をしているの……。



「その態度はないんじゃないかな?」

「……え?」



唐突すぎる言葉に私は言葉を失う。

南條くんが怒っている。

私に対して?

私、なにかしちゃったのかな……。


教室中の視線が私たちに集まっていることは嫌でも分かった。

痛いくらいの視線が突き刺さっている。

その中にはきっと。

琴音ちゃんも含まれるのだろう。



「友達なら、挨拶くらいしたらどう?」

「……?」

「自分のしていること分かっていないの? 有村さんの行動は葉月さんを傷つけているんだよ?」



絶句した。
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