幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
その人影は。

落ちそうなボールを拾ったと思ったら。

そのままダンクシュートを決めた。


ぽかん、とする私。


な、なにが起こったの……?


今。

唯斗くんが放ったボールはゴールを外れ。

そのこぼれ落ちたボールを。

……春馬くんがダンクシュートで決めた。



「唯斗。わざとシュート外そうとしたでしょ?」

「春馬ならダンクくらい、決められると思ったからな」

「僕がいなかったらどうするの」



そう言って笑顔を見せる唯斗くんと春馬くん。


……春馬くんも来てくれたんだ。


私は止まっていた涙を再び流した。

だって。

こんなに嬉しいこと他にないもん。

いつも意地悪ばかりしてくる幼なじみだけど。

でも、なんだかんだ大好きな幼なじみが。

私のために。

私が笑顔になれることを信じて、シュートを2人で決めてくれた。


それがなにより嬉しかった。
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