幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「じゃあ、また放課後、よろしくね」

「うんっ! よろしくね!」



南條くんが私へと視線を戻す。

放課後も南條くんと一緒にいられるなんて嬉しすぎる。

南條くんはホームルームが終わると、すぐに部活に行くからなぁ。

少しでも一緒にいる時間があれば嬉しいんだ。



「……葉月さん、疲れている?」



南條くんが琴音ちゃんに問いかける。

私は南條くんの言葉にびっくりして琴音ちゃんを見つめた。


琴音ちゃん疲れていたの?

気が付かなかった……。

大好きな琴音ちゃんの変化に気付けないなんて。

親友失格だ。



「別に、疲れてないから」

「そうかな。……これ、あげる」



そう言って南條くんが取り出したのは、オレンジ味の飴。

ひとつ、琴音ちゃんの手の上に置いた。


驚いた様子の琴音ちゃん。

だけど、すぐに表情は戻って。
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