幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「南條くん」

「……なに」

「今までありがとう」

「……は?」



私は今から、南條くんに別れを告げる。

それはクラスメイトの前で南條くんに恥をかかせたいとかじゃない。

南條くんには本当に好きな人と笑っていて欲しいから。



「私たち、別れよう」

「そんなこと、こっちから……」

「南條くんには本当に好きな女の子と付き合って欲しいの」



南條くんが息をのんだのが分かった。


やっぱり。

その反応は、私のこと最初から恋愛対象として見ていなかったんだね。


でも。

傷つく私はもういない。

だって、好きな人たちには幸せになってもらいたいから。
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