幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽!」



廊下を歩いていると後ろから、私を呼び止める声が聞こえた。

振り返ると、そこに立っていたのは私の大好きな親友の姿。

琴音ちゃんは今にも泣きだしそうな顔をして、私に飛びついてきた。



「美羽、ごめんっ」

「琴音ちゃん……」

「私、美羽に八つ当たりしていたの。恭介……のこと、ずっと好きだったこと言えなくて」

「ううん。私こそ、ちゃんと聞いてあげられなくてごめん」

「私、美羽のこと避けていたのに……。それでも、話しかけてくれてありがとう」



私を抱きしめる琴音ちゃんの腕に力が入ったのが分かった。

その背中を抱きしめ返す私。
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