幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
琴音ちゃんの本音を聞けた。

こうして、琴音ちゃんに抱きしめてもらっている。

また、琴音ちゃんのことを”親友”と呼んでいいんだよね?

大好きな友達です、って胸を張って言えるよね?



「琴音ちゃん」



私が琴音ちゃんに伝えたいこと。



「……?」

「私、南條くんのこと、本当は好きじゃなかったみたい!」

「え……?」

「付き合っていたけど、やっぱり違うなぁって思ったの」



そう言って笑う私。


半分、本音。

半分、嘘。

南條くんが見ていたのは、ずっと琴音ちゃんだったから。

私じゃなくて琴音ちゃんだった。

だから、そのまま付き合っていても幸せになんてなれない。

だから、私は南條くんに別れを告げたことに抵抗はなかった。
< 178 / 345 >

この作品をシェア

pagetop