幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「……ありがとう」



そう言って、飴を握りしめた。



「じゃあ、また後でね」



南條くんは爽やかすぎる風を残して、クラスの男子グループに溶け込んでいった。

その後姿を眺める私。

それは私だけじゃないようで、琴音ちゃんも唯斗くんも同じだった。

春馬くんは私の後ろに立っているから表情は見えないけど。



「なに? あの子」



春馬くんが私たちにだけ聞こえる声で呟く。

いつもより低い声。

真っ黒なオーラがあふれていますよ⁉

癒し系王子様の春馬くんが、そんなオーラを出しちゃっていいんですか⁉


嫌な意味でドキドキしている私。

冷汗が背中を伝う。
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