幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「早く南條くんのところに戻りなよ? ついでに苦手なバスケも教えてもらいなよね?」



琴音ちゃんは笑顔で頷く。

もう一度『ありがとう』って呟いて、琴音ちゃんは教室に戻って行った。


その後姿を見て思った。

恋している琴音ちゃん、最高に可愛い。


……私は。

しばらく恋するのはいいや。

そう思っていたけれど、琴音ちゃんを見ていたら、また恋愛したいかもって思う。

まぁ、いい人がいればいいなぁ。

そんなことを思いながら私の足は体育館へと向かって行った。

唯斗くんと春馬くんに報告しよう。

南條くんと別れたこと。

琴音ちゃんと親友に戻れたこと。

今、笑えているよ、ってこと。


それと。

ありがとうって、ちゃんと伝えたい。

私の足取りは軽くなっていた。
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