幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
そして。

私たちチームは、1年生ながらも決勝まで残ることができた。

決勝の相手は、唯斗くん率いる3年生チーム。


……まあ、そうなるよね。

正直勝てる気がしない。

だって、唯斗くんはバスケ部部長だもん。

実力ではかなわない。

バスケ部エースの南條くんと、スポーツが得意と発覚した琴音ちゃんがいるとはいえ……。


でも、頑張るしかない。

私は気合を入れ直す。


試合開始の笛が吹かれる。

ボールは3年生チームが奪った。

さすが3年生。

迫力もスピードも違う。


だけど、負けたくない!

あれだけ練習したんだから!



「美羽ちゃん頑張れ!」



ギャラリーから声援が聞こえた。

ちらりと見れば、春馬くんが一生懸命応援していた。

あんなに大きな声出したら、喉がつぶれちゃうかもしれないのに。

アイドルなのに歌えなくなったらどうするの?


でも。

応援してくれることは純粋に嬉しかった。
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