幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「南條はやめろ」

「なんでっ!」



唯斗くんが私の机に手をつく。

ビクッとする私だけど、私も負けてられない。

だって、南條くんのことが好きなのは本当だもん!

唯斗くんに『やめろ』って言われても、この恋は止まらないんだからね⁉


私も唯斗くんを睨み返してから数秒。



「はあ……」



唯斗くんは大きなため息をついた。

なんでため息つくのさ!

幼なじみなら幼なじみの恋を応援してよ!


頬を膨らませる私。

膨らませた頬をつつくのは春馬くんで。

振り返れば悪魔の笑みを浮かべていた。



「もーっ。2人とも教室に戻って! 帰って!」



私は春馬くんの腕を振りほどき、唯斗くんと春馬くんの背中を押して廊下へ追い出した。


ガラガラッ!

ピシャッ!

私は勢いよく教室のドアを閉めた。


ふう。

これで少しは静かになる……。

と、思いきや。



「有村さん、うらやましいーっ」
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