幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
『今どこにいるの⁉』

「……家」

『近くまで行くから、出てこられる?』

「……うん」



琴音ちゃんは私がどこに引っ越したのかは、具体的には知らない。

”隣町”と伝えてあるだけだったから。

そのことに関して琴音ちゃんは、深く追求することはなかった。

琴音ちゃんと待ち合わせるファミレスを決めたあと、私は電話を切った。


……今は、この気持ちを誰かに聞いてほしい。

その感情でいっぱいの私は、鞄だけ持って外に出た。
< 207 / 345 >

この作品をシェア

pagetop