幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
4人掛けのソファ席に案内された私たち。

温かいココアを頼んでから、琴音ちゃんは切り出した。



「なにがあったの?」



……今更だけど、話してもいいのだろうか。

話の流れから、同居していることもバレてしまうかもしれない。

そうなったら、唯斗くんや春馬くんと一緒にいられなくなる。


でも。

この感情をひとりで抱えきれない。

黙る私に琴音ちゃんは頭を撫でてくれた。



「美羽。私が言った言葉、覚えている?」

「……」

「私は、美羽が唯斗先輩や春馬先輩とどんな関係になっても、美羽が好き。……そう言ったの、覚えている?」



……覚えている。

琴音ちゃんは“私”を“私”として見てくれているんだ、って思った瞬間だったから。


私は、コクン、と頷く。



「美羽が悩んでいるのって、先輩たちのことでしょ?」

「……うん」

「話してよ。私は美羽の味方なんだから」



琴音ちゃんの温かい言葉に、私は感情のままに話し始めた。
< 209 / 345 >

この作品をシェア

pagetop