幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
唯斗くんと春馬くんと訳ありで同居をしていること。

2人の応援をしたくて、コンサートのチケットを取ったこと。

ずっと楽しみにしていたこと。


そして、今日。

春原さんにチケットを取られたこと。

……唯斗くんと春馬くんのコンサートに行けないこと。


気付いたときには、全てを話していた。

琴音ちゃんは特に驚いた様子もなく、静かに話を聞いてくれていた。



「……そうだったんだね」

「同居のこととか隠していてごめん」

「気にしてないよ。どうせ、春原って人に口止めされていたんでしょ?」

「うん」



冷めていくホットココア。

だけど、どちらもココアに手を付けることはなかった。

私は目の前に置かれたココアをぼーっと見つめていた。
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