幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「唯斗くん!」



私は唯斗くんの教室のドアを思い切り開けた。

ドアは勢いよく開いて、大きな音を立てた。


……やば。

一気に先輩方の視線が集まる。

私は背中に冷や汗を垂らす。


睨まれるか、と身構えた視界の端に唯斗くんの姿が写った。

ギャルっぽい女子集団に囲まれているのって唯斗くんじゃ……。

私はもう一度唯斗くんの名前を呼んだけど、唯斗くんに無視された。

気付かなかった……、なんてことはないよね?

あんなに大声で呼んだんだもん。

実際に唯斗くんを囲んでいる女子集団は私を睨んできたし。



「なに、あの女」

「知らないの? 唯斗くんの彼女ぶっているって奴だよぉ」

「春馬くんと二股しているって噂の?」



……なんですか、その噂は。

以前、私の噂をどこかで聞いたときよりも酷い内容なんですけど。
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