幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
怒り半分の私。

しかも唯斗くんは噂も私も関係ありません、って感じだし。

椅子に座ったまま頬杖ついて、窓の外見ているし。

なにひとりで、たそがれているのさ。


ああ、頭にくる。


私は感情に任せて、ズカズカと教室に入っていった。



「唯斗くん!」



唯斗くんの席まで行こうとするが、目の前には大きな壁……。

ならぬ、女子集団。


唯斗くんのボディーガードかなにかですか。

唯斗くんって女子大勢に守ってもらうほど弱かったんですか。


私はため息をひとつ吐く。

それから唯斗くんに聞こえるような声で。



「いつまでも逃げていないでよね」



私はそう言い残して、唯斗くんの教室を出て行った。
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