幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
同居を初めてから、唯斗くんの意外な一面を見ることが出来たり、相変わらずだなぁっていうところも見ることが出来た。

私はそれで満足しちゃっていたんだと思う。

新しい一面を知ることが出来る日々の嬉しさ。

そして、心に抱えているものを知らない日々の切なさ。

今になって切ない感情が押し寄せてきた。



「私、浮かれていたのかも」

「うん」

「彼らと一緒にいることが心地よくて、その関係を守りたかった」



守りたかったけれど。

守れていなかったのは事実。

もしかしたら、同居していない他の女の子たちのほうが唯斗くんをちゃんと見ているんじゃないかな。

唯斗くんだけじゃなくて、春馬くんのことも……。


そう思うと悔しかった。

私、今までなにをやっていたんだろう。
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