幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽ちゃん⁉」



春馬くんは視界に私をとらえた瞬間、目を丸くした。

クリクリの目をさらに丸くして。



「唯斗っ! 美羽ちゃんの裸見たの⁉」

「……っ」



春馬くんは唯斗くんの胸ぐらをつかんで揺すっているし。

唯斗くんは顔を真っ赤にして、なにも言い返さないし。

……女の子がお風呂に入っている前で喧嘩を始めるのはやめてほしい。



「もうっ! 2人とも出て行ってっ!」



私の大声にびっくりした2人は、喧嘩をやめバスルームを出て行った。


はあ。

バスルームの鍵をかけなかった私も悪かったところはあるけれど。

唯斗くんだけじゃなく、春馬くんに裸を見られた……。


小さい頃は一緒にお風呂入ったりもしたけれど、今はもう小さくない。

もう高校生なんだから……。

私はバスルームの鍵を閉めたことを確認してから、体を洗い流した。
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