幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
ダンッ!


恥ずかしさがおさまらない私は、テーブルの上にハンバーグを乗せたお皿を勢いよく置いた。

私だって仮にも乙女なんだから!

そんな私を驚いた表情で見る2人。

『俺たちなにかした?』って顔するのをやめてほしい。

なにか、じゃなくて、お風呂を覗いたんだからねっ⁉


……それにしても。

唯斗くんと今、こうやって普通に接することが出来ているけれど、今日の昼休みは存在無視されていたんだよなぁ。


思い出したら腹が立ってきた。

今までは私が唯斗くんの教室に行かなくても、勝手に遊びに来て話しかけてきたくせに。

なにをいまさら、学校で無視を始めたのさ。


あー。

イライラしてきた。


……ダメよ、美羽。

ここでイライラしていたら、唯斗くんの悩みを知ることどころか会話すらできなくなってしまう。

でも、どうやって切り出せば……。



「美羽ちゃん、どうしたの?」



春馬くんの声にハッと顔を上げる。

ハンバーグのお皿に手をかけたまま固まっていた自分にハッとする。

慌ててお皿から手を外す。
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