幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「いやっ! なんでもないよ⁉」

「なんでもねぇ、って感じはしねぇけどな」

「唯斗くんには言われたくな……っ」



おっと。

余計なことまで言うところだった。


私は慌てて誤魔化し、椅子に座る。

何事もなかったかのように『いただきます』をして、ハンバーグに手を付ける。

あ、我ながらおいしい。



「ソース、ついているよ」



左隣の椅子に座っていた春馬くんが私の顔を覗き込む。

ち、近い!

顔が急接近しているんですけど!


ほんの少し。

春馬くんにドキドキしてしまった自分が恥ずかしい。


それより、ソースが口についているとか……。

子供じゃないんだから。

私はティッシュで拭き取ろうとしたその瞬間。

左の頬に柔らかい感触があった。


ぺろっ。


一瞬なにが起きたのか分からなかった。

フリーズする私。
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