幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「琴音ちゃんは席に戻らないの?」

「戻るよ。……戻るけど、」

「……けど?」



琴音ちゃんは組んでいた腕をほどいて、ふう、とため息をついた。

そしてボブカットの髪の毛を耳にかけながら私と目を合わせた。



「あの子たちの言葉は気にする必要はないから」

「え?」

「美羽が唯斗先輩や春馬先輩とどんな関係になろうとも、私は美羽が好きだから」



他人の言葉で自分の気持ちを見失ってはダメ。

そう言って琴音ちゃんは窓際の1番後ろの席に戻っていった。


その後姿をぼーっと眺める私。

……山下さんたちの言葉と、琴音ちゃんの言葉を思い返す。
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